コスト上昇で商品を値上げしたいけど、客が離れて、売り上げが下がるのが怖い。
この問題は真剣に取り組む経営者ほど迷う判断です。
この記事では、値上げによって起こりうる客離れとその仕組みを簡単に説明します。
値上げすると客離れは起きる?
値上げすると客離れは起きます。
商品やサービスの値段を上げることで、価格だけであなたの商品・サービスを利用していた顧客が来なくなる可能性が高いです。
ただし、値上げすれば客離れが必ず起きるわけではありません。やり方の問題です。
なぜ値上げすると客が離れるのか?
客があなたの商品を買うのは、「商品と値段のバランスが取れている」と感じるからです。
言い換えれば、商品から得るメリット(Take)に対して、払う値段(Give)が安いと感じたためです。客が“Give and Take”のバランスに納得しているため商品を買います。
しかし、値上げをするとそのバランスが崩れてしまいます。それまで安いと感じていた値段は今度重く感じてしまい、その値段に対してメリットがないと感じるようになります。
この時、客は競合他社の商品やサービスを調べたり、値段と内容の比較をしたりするきっかけになります。競合他社の商品がより魅力的に感じた場合、客があなたの元を離れ、ライバルの顧客になってしまいます。
これが値上げによる客離れの基本的な仕組みです。
客が減る=値上げに失敗したことになるのか?
値段を上げると一部の客が来なくなります。しかし、客が減ることで、値上げに失敗したといえるのか?ここでは具体的な事例を見ていきましょう。
1,000円の商品を売るファミリービジネスがあるとしよう。それまでの客は100人だったので、1,000円×100人で月の売上は100,000円です。
製造コストの上昇に伴い、商品の値段を1,000円→1,350円に値上げしました。すると、それまで来てくれていた客20人が離れていきました。1,350円×80人で月の売上は108,000円になりました。
値上げによって客が20%減りましたが、逆に売り上げは100,000円→108,000円に上がりました。つまり、客離れ=失敗ではありません。
失敗を招く値上げには共通点がある
値上げで客が減っても、売り上げの増加に成功するビジネスがあれば、失敗して売り上げが減少するビジネスもあります。
失敗するビジネスには次のような共通点があります:
- 顧客が感じる価値を考えずに価格だけを上げる
- 客層を理解せずに値上げする
- 値上げの伝え方を甘く見る
値上げによる客離れを完全に防ぐことは難しいです。顧客にもそれぞれの事情があり、置かれている状況に合った選択をする必要があります。他方で、コスト上昇による経営の圧迫も切実な状況であり、値上げという選択はビジネスの倒産を避けるためには重要です。
そのため、客離れそのものを恐れすぎる必要はありません。
意識すべきは、「値上げのやり方によって、本来残ってほしい顧客までを失うことがある」ことです。
値上げに失敗した人たちと同じ轍を踏まないために、まずはその原因を考えよう。








