用語集一つでなぜ売上が上がる?ブランディングを意識した取扱説明書の翻訳

最終更新日:2026年4月27日
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取扱説明書は物の使い方を教えるためだけにあると思っていませんか?
実はあることに気を付けるだけでマニュアルがマーケティングのツールになります。

この記事では、用語集を使った取扱説明書の翻訳が売り上げに貢献する仕組みを説明します。

この記事の内容

取扱説明書の翻訳における用語集の重要性

翻訳の話に用語集が軽視されがちですが、特に取扱説明書では重要な役割を果たします。そもそも、なぜ用語集が必要で、用語集がない場合は何が起きるのか?

翻訳の用語集とは

取扱説明書の翻訳では、会社の社内用語に合わせるために用語集を使います。社内用語はその会社が使う独自の呼び方です。例えば、 “車のカギ”に対し、トヨタは「スマートキー」、日産は「インテリジェントキー」と呼びます。

それらの独自の用語を1つのファイルに集めたものは用語集です。用語集を使うことで、画面に表示されているボタンやメニューの名前を正しく翻訳できます。

正しく翻訳された取扱説明書は分かりやすい

機械類の取扱説明書を想像してください。手順書に書いてあるボタン名と機械本体にあるボタン名が一致していたら、分かりやすいと思いませんか?

ソフトウェアでも同じです。取扱説明書に記載されている操作方法がパソコンの画面に表示されているメニューやオプション名と同じだったら、問題をすんなり解決できます。

つまり、用語集に従って翻訳するだけで、分かりやすい取扱説明書を作ることができます

逆に、用語集が設定されていない取扱説明書の末路

取扱説明書の翻訳に用語集がなければどうなるだろう?名前が決まっているボタンや物の名前を翻訳者が自由に翻訳します。つまり、製品に実際に書いてある表記と取扱説明書に書いてあるものが一致しなくなり、ユーザーの混乱を招きます

そのハチャメチャな翻訳を依頼者が修正しようとすると、莫大な時間・お金と人手が掛かります。しかもそれだけではない。製品の発売日まで取扱説明書が間に合わなかったり、ミスを完全に修正し切れなかったりして、会社に大きな損失を与えます。

分かりやすい取扱説明書=客に支持される製品

取扱説明書を正しく翻訳ためには用語集が欠かせない理由は分かりますが、用語集一つでなぜ客の支持率が上がるのか?ここでは、ユーザーの心理に隠された秘密を説明します。

取扱説明書は救世主のような存在

自分の経験を思い出してください。取扱説明書はいつ見ますか?製品を箱から取り出したとき?それとも、使い方に困ったとき?

前者と答えたあなたは几帳面な人ですが、人類のほとんどは後者です。John M. Carrollの研究“Minimalism Beyond the Nurnberg Funnel”によると、ユーザーは「まず試す→壁にぶつかる→取扱説明書を見る」の順で動きます。

つまり、ユーザーにとって取扱説明書は問題を解決してくれる“救世主”のような存在です。困った時を助けてくれる神様です。

困って取扱説明書を必死に調べだしたときの精神状態に注目してください。藁にもすがる思いで分厚い冊子を必死に読んでも、意味が分かりません。焦ってもう一回読んでも状況が変わりません。自分が分かる言語で書かれているのに、何言っているか分からないときがあります。普通の精神状態なら分かるのに、焦っているとなぜか分からなくなります。

分かりやすいほど製品に対する好感度が上がる

困っているときほど、1秒でも早く問題を解決したくなるのも人間です。

分厚い取扱説明書を開き、ものの1分で問題の解決方法が分かったらすごくないですか?まさに神です。この製品がめちゃくちゃいいです。マニュアルなど誰も褒めません。あくまでも“製品”がすごいです。

こうして、無意識のうちに製品に対する好感度が上がります。いい製品は人に勧めたくなるものです。この“些細”なところから売り上げを伸ばす「ブランディング」が始まります。

用語集→ブランディング→売り上げ

用語の正確さから始まった話がなぜ売り上げの向上につながるのか?用語集の思わぬ効果が発揮する仕組みをステップごとに説明します。

用語集で翻訳の正確さと分かりやすさを高める

用語集を使うことで正確な翻訳が作れます。そして正確な翻訳が分かりやすい取扱説明書につながります。つまり、用語集の真の目的は分かりやすい取扱説明書を作ることです。

用語をExcelにまとめたり、変更があったときに更新したりするなどの管理は正直に面倒です。しかし、その努力に見合う効果があるからこそ元に戻れなくなります。この“最初の一歩”が踏めるかどうかが損する人・得する人の分かれ道です。

分かりやすさがブランディングにつながる

分かりやすい取扱説明書を作ることで、ユーザーは製品を“使い倒す”ことができます。投資した金額に対して、最大限のリターンが得られると嬉しいものです。

製品に満足しているユーザーは次回も同じものを買う確率が高いです。しかも、自分が満足しているからこそ、友達や周りにも勧めてくれます。「この会社の製品はいい製品だ」というブランディングを広めてくれます。

ブランディングが売り上げを伸ばす

ブランディングで話題が話題を呼び、製品の売り上げがみるみる上がります。しかも、そのブランディングに華やかな宣伝費用などを一切掛かっていません。掛かったのは、社内用語を一つのExcelに集める努力だけです。

地味な存在だからこそ用語集は軽視されがちですが、その地味な用語集が生み出す効果は計り知れません。

用語集を使って売り上げを伸ばすためには

では、用語集を使って売り上げを伸ばすためにはどうすればいいのか?

取扱説明書の翻訳を依頼するときに用語集を提出する必要がありますが、提出しただけでは翻訳が用語集通りになる訳ではありません。

用語集を使った翻訳に失敗しないためには、用語集の正しい運用方法や注意すべきこと知っておくことが大事です。

この記事を書いた人たち:

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Intenciaチーム

日本と海外を遊び尽くし、翻訳とマーケティングに長く携わっている“いい歳している”大人たち。自分たちの手で立ち上げた会社を通じて、多角的な視点と本質を射抜く経営観を日々養っている。

作成日:2026年4月23日
最終更新日:2026年4月27日
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