翻訳に用語集をつけるだけで次の効果があるのを知っていました?
・翻訳の質が上がる
・納期も早くなる
品質が上がることは想像できますが、納期が早まる効果を知っている人は少ないでしょう。この記事では、用語集が翻訳の作業期間を縮ませる仕組みについて説明します。
用語集がなければどういう問題が起きるのか?
Webサイトや製品の取扱説明書など、用語集が欠かせない翻訳があります。もし、それらの翻訳に用語集がなかったら何が起きるのか?
用語を翻訳できない
翻訳者として一番困るのは社内用語です。業界用語はその業界に入っていれば分かりますが、社内用語はその会社に入っていない限り分かりません。
社内用語が出た時点で集中が切れ、手が止まってしまいます。本来不要な「どうしよう?」という時間が発生し、作業に遅れが出始めます。
壮大な伝言ゲームが始まる
迷った翻訳者は翻訳会社に連絡し、事情を話します。翻訳会社は依頼者に連絡し、事情を話します。依頼者が問題の用語の訳語を翻訳会社に教えます。翻訳会社が問題の用語の訳語を翻訳者に伝えます。この無駄な“伝言ゲーム”で翻訳者を含め、全員が時間を取られます。
しかし、社内用語らしき単語が出るたびに新しい伝言ゲームが始まります。原稿にあった社内用語の数だけ、全員が時間を無駄にします。
結局は納期が遅れる
その中で最も時間を取られているのは翻訳者です。本来まったくいらない“作業”に足を引っ張られ、翻訳作業が大幅に遅れるためです。
こうして翻訳期間が延びてしまい、納期の遅れが発生してしまいます。依頼者は製品の発売延期、翻訳会社と翻訳者は予定していた仕事をキャンセルします。全員がLose-Lose-Loseの珍しい結果に終わります。
翻訳者が抱えるジレンマ
“理想と現実が違う”ように、「やるべきことと実際にできること」も違います。プロが抱える難しいジレンマについて説明します。
正しい翻訳を出したいが時間が圧倒的に足りない
プロを自負している翻訳者なら、正しい翻訳を出そうとします。しかし、そのためにはイチイチ翻訳会社とメールのやり取りをしなければなりません。そこにはびっくりするぐらい時間が掛かり、その分だけ作業時間を奪われてしまいます。
余裕のある納期設定ならいいが、近年はMTPEの影響で適正な作業期間が設定されている案件は珍しい。翻訳者はタイトなスケジュールで翻訳しなければならず、正しい用語をイチイチ聞く余裕などありません。
聞くも地獄、聞かぬも地獄
それでもプロのプライドがあります。正しい翻訳を出したい。そこで翻訳者は究極の2択に阻まれます。正しい翻訳を優先して納期遅れを出してしまうのか?それとも、納期を優先して誤訳をそのまま出すか?
いずれの道を選んでも、“納期を守らない翻訳者”か“誤訳を平気で出す翻訳者”というレッテルを貼られます。取れる仕事が徐々に減って、翻訳で生活することが厳しくなります。
用語集が翻訳の納期を早めるカギ
翻訳者を取り巻く環境は厳しいですが、元はといえば、翻訳に用語集が付いていないことが原因です。用語集を提供するだけで納期はどれだけ改善されるのか?
翻訳者が順調に翻訳できる
用語集があれば、翻訳者はイチイチ手を止める必要はありません。使うべき用語はCATツールが自動的に出しますので、翻訳はスムーズに進みます。集中が切れたり、不要なメールを書いたりする必要もありません。すべての時間を“より良い翻訳”を作るために使えます。
納品の遅延阻止をもちろん、納期を早めることだってできる
依頼者と翻訳者の間には翻訳会社が入っているため、どうしても間接的なコミュニケーションになります。その伝言ゲームには時間が掛かり、解釈が途中で変わることもよくあります。その“行き違い”による修正を含めると、納期がさらに遅れることがあります。
最初から用語集を備えることで、その無駄な伝言ゲームを省くことができます。翻訳の遅延はおろか、予定納期より翻訳が早く終わることが多いです。
用語集で納期を早めるためには
翻訳依頼に用語集を事前に提供するだけで、不要な手間を省き、納期を縮めることができます。
しかし、用語集をただ出せばいい訳ではありません。翻訳会社・翻訳者が用語集の使い方が分からなければなんの意味もありません。納期を縮めるためには、翻訳を依頼する前に、用語集の正しい運用方法や注意事項を知っておくことが重要です。












